釈迦道VS中国IT社長 激闘!!連絡待ちが続いている・・・汗

第5話 売主との交渉

日記

文氏との最初の戦いから4日が経った。

俺と岸は、文氏手書きの1.9億の申込書を手に、売主の元へ向かった。今回の物件の売主は、法人名義だが、内情は資産管理会社で家賃以外の収入はサラリーマンだ。

投資用で5年前に購入したが、本業が不況の営業を受けて上手くいかず売却する。年収は2000万程あるが、この業界では小物。

計算したところ、売り買いには諸費用もかかるので、この取引で2億以下で売却しても殆ど利益は出ない。

実際、不動産投資で莫大な利益を生み出すことは難しい。よっぽど安く買うか、高く売り抜けなければ、家賃収入だけで、投資を完結することはできないのだ。軽い気持ちで不動産投資を始めたサラリーマンが、首が回らなくなって泣きついてくることはよくある。

私から話を切り出した。

「検討者から購入申し込みをもらいました。希望価格は1.9億です。ご希望の2億まで届いておらず申し訳ございません。」

とりあえずこの言葉から入った。彼は少し沈黙したが、

「利益はありませんが、1.95億なら売ります」

そう答えた。売主の懐事情は知っているので、この線で回答が来ることは想定内。ただ、この金額では取引は纏まらないだろう。

文氏の顔が頭によぎった。

もしこのまま持ち帰れば、恐らく、あと2回の交渉は避けられない。そうなると、オレの立場は弱くなる。今後他の懸念事項が出ることも想定されるし、最終的に手数料調整も持ちかけられるかもしれない。

「1.93億だといかがでしょうか?」

私はすぐさま提案した。彼の表情が明らかに曇るのがわかった。

この手の交渉の場合、売り買い互いのパワーバランスを考え、どちらかに負担をかけなければ纏まらない。互いにとってメリットがあることを伝えることは当然だが、完全に中間というのは、痛み分けの印象を与えてしまう。

負荷をかけてこそ、取引成立。

今回は売りに負担をかける…

彼は安くしてまで売る必要はないと言ったが、オレは怯まない。

「この金額でないと、絶対に纏まりません。今回の件は急に沸いた、あなたにとっても千載一遇のチャンス。この買主を逃すと、つぎはもっと大きな勇気が必要になります。検討者は頑なに1.9億と言っています。ただ、残り300万の交渉は必ず掴み取ってきます。」

彼はまたしばらく沈黙し、

「わかりました。では1.93億でお願いします。」

これで、売りの内諾をとった。価格は合意していないが、合意の可能性があるラインまできた。これで、話が次に進む…

今回の戦いの相手はこの売主ではないのだ。彼は売る、これから先いつ売れるか見えない不安の中で、この決断をすることは、俺の想定内だった。

本丸は買主。中国IT業界の雄文氏の牙城を崩すことだっ!

売主との打ち合わせは30分ほどで終わった。

オレにとってはここからがこの戦の勝負どころ。文氏は1.9億を希望している。そこには届いていない!

1.93億の話をしたら、彼はどう感じるだろうか?

「よくやった!ありがとう!このまま1.93億で話を進めてくれ。」

となるだろうか?

俺はそうは思わない。必ず彼はもう一つ、いや二つ、交渉のカードを出してくるだろう。

だがそれが何かは今は分からない。

俺は一度文氏の考えを聞くしかないと思った。

恐らくそのときに何かしら次のカードを切ってくる。

1.9億までの再交渉を求めてくるか、若しくはその金額ならば、辞めると言うか。

300万の重みは金額ではなく、期待値である、一度期待した金額を目にするとそれ以下は負。気持ちが負だと感じるのだ。

俺は携帯を手に取り文氏に電話をかけようとした。

いや、まて。

彼はオレならどのような答えを期待しているか?それがまだ見えていない。この状況で電話してもいいのか?いきなり電話がかかってきて、彼は何の電話だと考えるか。オレは色んな想定への対応を張り巡らせられているだろうか。

恐らく、すぐには電話に出ないだろう。出たとしたら意気揚々と期待している可能性が高い。それでいて、文氏にとって300万の買い上げはマイナスの話以外何ものでもない

ショートメールで一度出方をみる。

俺は、

「売主と打ち合わせが終わりました。お手隙の際にご連絡ください。」

とだけメールした。

このメールを見た彼はどう思うだろう。恐らく上手くいったと思う気持ちと、悪い知らせだろうか、と考えを巡らすはず。

それでいい。一度ヤツにも頭を使わせる。

一発で心臓を撃ち抜く。

そして、そのショートメール送信から5時間が経った。時間は夜8時。

文氏からの連絡はまだない…

やられたっ…

つづく

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ ギャンブル依存症へ

コメント

タイトルとURLをコピーしました